本・新聞−ネパール関連の本(初心者向け)

ネパールをあまりよく知らないという人がネパールを知る上で役に立つかな、と思う本を書きます。これ以外にもそれぞれの専門の本や論文は日本語、英語、一部ネパール語のものがありますが、それはそれぞれに探してもらうことにして、ここでは初心者向けで専門知識がなくても理解できる本だけを書きます。NGOについて知りたい場合は、NGOのwebを見る、あるいは歴史あるNGOであればNGOの方がそれぞれに本を書いていることが多いので、そちらを探してご覧ください。

ネパール (ロンリープラネットの自由旅行ガイド)

ネパール (ロンリープラネットの自由旅行ガイド)

一番信頼できる旅行ガイド。ただこれは数年前のものを翻訳したものなので内容が古くなってきている。最新情報は英語版やWEBを(英語版はネパールの書店でも売られている)。


Lonely Planet Nepal

Lonely Planet Nepal


アジア横断 (旅行人ノート)

アジア横断 (旅行人ノート)

ネパールも含みアジア横断したい人には有用な本(らしい)。ただ少し古いので全ての情報が使えるとも言い難い。旅行人はチベットとかラダックとかバングラとか周辺の旅行ガイドは出していて、それらにネパールの情報も含まれていますがネパールというくくりでは出していないようです。



色々な視点からカトマンズの情報を載せている。専門家が書いたものではないので、情報に一部怪しいところがあるが、カトマンズのおもしろさをかけていると思う。



ネパールを知るための60章 エリア・スタディーズ

ネパールを知るための60章 エリア・スタディーズ

ネパールの様々な専門家がそれぞれの専門分野を短く、初心者にもわかりやすい形で書いている。



ネパール (暮らしがわかるアジア読本)

ネパール (暮らしがわかるアジア読本)

これも専門家がわかりやすいく書いている本。ちょっと情報が古いが。



南アジアを知る事典

南アジアを知る事典

ネパールでわからない言葉にであったらこれで調べる。情報量は多いが分厚くて重いので持ち運びには向かない。



新版 南アジアを知る事典

新版 南アジアを知る事典

2012年に新版も出版された。マオイスト、権利の主張関連などここ10年の変化についても追記されている。



World Infopaedia Nepal
Author:C B Upadyay
ISBN:8189645498

ネパールのいろいろなことが調べられる事典。アマゾンでの取り扱いは今のところないらしいが、英語圏の書店で取扱いのあるところがいくつかある。ネパールでも探せば売っていることもある(絶対あるとは限らない)。


南アジア社会を学ぶ人のために

南アジア社会を学ぶ人のために

人文社会学系の南アジア研究者によって一般向けに書かれた本。ネパールも含めた南アジアに関心を持ちはじめた大学生(学部生)などが読むと基礎的な知識が身に付き、研究の全体の方向性がわかる。


チベット旅行記(1) (講談社学術文庫)

チベット旅行記(1) (講談社学術文庫)

大昔にネパールやその周辺の地域を旅した本。


ネパール

ネパール

地理学者トニー・ハーゲンが書いた本の日本語訳。内容はやや古いが、地理、気候はもちろん、民族や文化などの章もある。専門知識がなくてもついていける内容。


ネパールの村に住んでいた日本人男性が書いた本。イラストもあり、ネパールの村ってこんな感じなのか、というのがわかる。


ヒマラヤの村―シェルパ族とくらす (1976年) (現代教養文庫)

ヒマラヤの村―シェルパ族とくらす (1976年) (現代教養文庫)

シェルパの村に滞在した方の旅行記旅行記と言ってもある程度の期間滞在しているので、シェルパの暮らしがわかる。研究者によって書かれたものではないので情報が絶対的に正しいとは言えない面もあるが、シェルパチベット系の民族の暮らしを少し知りたい、という人には手頃な一冊。


ネパール周遊紀行 (MAUライブラリー)

ネパール周遊紀行 (MAUライブラリー)

人類学者の田村善次郎氏が様々なところに書いてきた論文やエッセイをまとめたもの。人類学者によって書かれた本だが、民族誌というよりも紀行文に近い部分もあり、一般の人でも理解できるような部分も少なくない。ドルポのチベット人、ライ族、フムラのタクリ、河川漁をするポーレ、ボテ族などネパールの様々な地域の民族について触れられている。ネパールの多様性を知るには手頃な一冊。


流動するネパール―地域社会の変容

流動するネパール―地域社会の変容

ネパール研究者(人類学者、経済学者など)によって書かれた論文集。
論文なのでとっつきにくく感じる人もいるかもしれないが、専門知識がない人が全く理解できない内容、というわけでもない(と思う)。


旅行人 2007年春号カトマンズの春〜平和が訪れたネパールの首都へ

旅行人 2007年春号カトマンズの春〜平和が訪れたネパールの首都へ

数年前のネパールの現状についてネパール在住の日本人が書いた本、というか雑誌。


ネパールのビール―ベスト・エッセイ集〈’91年版〉 (文春文庫)

ネパールのビール―ベスト・エッセイ集〈’91年版〉 (文春文庫)

泣けるエッセイ。タイトルはネパールのビールですが、それ以外のネパールと関係ないエッセイも入っています。


OLときどきネパール人 (知恵の森文庫)

OLときどきネパール人 (知恵の森文庫)

日本のふつうの?OLさんが何度も旅したネパールを書いている。
ネパールが素朴で好きだとか素晴らしいとか、逆に貧しいとか問題だらけだとかかわいそうだとかそういう感情を書く人は多いけど、それらとは違い、わりとと冷静な視点でいいところも悪いところも淡々と描いている。カトマンズの庶民の生活が垣間見れる。
hontoからもダウンロード可
https://hon-to.jp/asp/ShowSeriesDetail.do?seriesId=B-MBJ-20003-100001291-001-001


世界のどこかで居候

世界のどこかで居候

色々な国で1週間居候した人がそれぞれの地域(ホームステイ先)の生活についてかいていて、ネパールで居候の部分もあり。学術的なものではないが、絵や図が多く、ネパールを良く知らない人が読むと「ああ、こういう生活をしているのかー」というのがわかる。


ネパールにおけるツーリズム空間の創出―カトマンドゥから描く地域像

ネパールにおけるツーリズム空間の創出―カトマンドゥから描く地域像

地理学者が書いたネパールのツーリズムについての本。博士論文を元にしているのでやや専門的だが一般の人が全く理解できないないようでもない(と思う。)


ネパール王制解体―国王と民衆の確執が生んだマオイスト (NHKブックス)

ネパール王制解体―国王と民衆の確執が生んだマオイスト (NHKブックス)

ここ数年注目されているマオイストに関することを書いている。長年ネパールに暮らし、調査をしているジャーナリストによるものなので厚みのある記述。(ただ、マオストが発生した理由その他は研究者により意見が異なり、これに書いてあることが全面的に支持されているわけではないが)


同じジャーナリストによって書かれた90年代の民主化についての本。こちらも厚みがある。

研究者によって書かれたマオイストに関する論文集。最新の内容。

ネパール仏教

ネパール仏教

専門家によってかかれた数少ないネパール仏教の本。


これもネパール、チベットの仏教についての本。


ネパール密教儀礼の研究

ネパール密教儀礼の研究

専門家によって書かれた専門書なので、一般の人にはとっつきにくいかもしれないが。


ヒンドゥーの神々

ヒンドゥーの神々

ネパールは数年前までヒンドゥー教を国教としていたくらい、ヒンドゥー教徒が多い国(仏教徒もいますが)。儀礼とか日常生活に深くかかわっている。日本ではあまりなじみがないのでちょっと知りたいと思ったら読むとよい。研究者によって書かれた本だが、一般の人でも読めるようにかかれている。


ヒンドゥー教とインド社会 (世界史リブレット (5))

ヒンドゥー教とインド社会 (世界史リブレット (5))

これも研究者によって書かれた一般向けのヒンドゥー教の本。薄いので比較的とっつきやすいかな。


インド社会とカースト (世界史リブレット)

インド社会とカースト (世界史リブレット)

インド社会とあるが、カーストについての議論の神髄ともいえるような部分がコンパクトにまとまっているので、ネパールでのカーストを考える上でも有用。薄いので一見するととっつきやすそうだが実はとても奥が深い本。


牡牛と信号―“物語”としてのネパール

牡牛と信号―“物語”としてのネパール

研究者によるエッセイ集。きれいごとではなく現実が書かれている。


同じ研究者による新書。上に同じ。


A History of Nepal

A History of Nepal

ネパールの歴史が知りたいと思ったらこれ。ネパールでも売られている。


ネパールの人びと (1) (ネパール叢書)

ネパールの人びと (1) (ネパール叢書)

ネパールの人びと (ネパール叢書)

ネパールの人びと (ネパール叢書)

People of Nepal

People of Nepal

ネパールの人類学者では第一人者であるビスタがネパールの様々な民族やカースト集団について書いた本の日本語訳。ネパールにはどういう人たちが住んでいるの?と思った人はこれを読むと全体がわかる。英語でかかれた原書はネパールでも売られている。


ぢるぢる旅行記 (総集編)

ぢるぢる旅行記 (総集編)

漫画家のねこぢると旦那さんがインドとネパールを旅行した時の経験を書いた漫画。インド編はインドだけだが総集編にはネパールを書いた部分も入れられている。これの後に出版された『インドぢる』はねこぢるの旦那さんがねこぢるの弟と一緒に、かつてねこぢると一緒に行ったインドとネパールに行くというもの。こちらでもネパールには行っています。ただ、内容は漫画というよりは文章が主で、ねこぢるが自殺してしまったことに対する感情と過去への回想がメインで、インドやネパールについての描写は旅行記のほうがわかりやすいと思う。



毎日かあさん7 ぐるぐるマニ車編

毎日かあさん7 ぐるぐるマニ車編

西原さんが子供達と一緒にネパールを旅した時の話。本全部がネパールのことではなく、普段の生活のマンガとネパール旅行の時のマンガが混じった形で編集されている。「おかーさん、神様だらけの国って言ってたけどゴミだらけの国よっ」「誰ひとり交通規則を守らずオラオラ割り込み運転」「途上国名物道に落ちている犬」「ネパールの元旦は 犬とマリーゴールドがぐっちょんぐっちょん」など名言がちりばめられている。事実だけど誇り高きネパール人にはとても言えないようなことをさらっとおもしろく書いてしまっているのはすごい。おもしろく読めるのは上から目線じゃないからだと思う。ネパールの人たちのためにとか、日本と比べて劣っている優れているとか、私はネパールのことを良く知っている(すごいでしょ)とかそういうエッセイにありがちなことを言わないで楽しんでいるというのが全体から伝わってくる。



すばらしい新世界

すばらしい新世界

大企業に勤めるエンジニアがネパールで風車(風力発電)を作ろうとする話。小説だが、登場するホテルやNGOがネパールをある程度知っている人なら「ああ、モデルになったのはあそこだ」とわかるような形でかかれていて、小説じゃなくて実際に起こったことについてかかれた本を読んでいる気になる。ただ、話が全体にきれいで、悪人とかトラブルとかが異常に少ないという意見も。


星と祭 (角川文庫 い 5-4)

星と祭 (角川文庫 い 5-4)

娘を亡くした父親が、紆余曲折を経てヒマラヤトレッキングをするというストーリー。(舞台はネパールだけではなく、半分以上が日本。)ヒマラヤで月を見ながら亡くなった娘と対話しようと思っていたけれど、トレッキングは毎日いろいろと大変でそんな余裕はなく、とにかく夢中で、という感覚はヒマラヤトレッキングの経験がある人には共感できるものでは。


ヒマラヤ特集の雑誌。写真がきれい。


coyote(コヨーテ)No.5 特集・チベット、ヒマラヤへと続く道「ダライ・ラマもこの道を旅した」

coyote(コヨーテ)No.5 特集・チベット、ヒマラヤへと続く道「ダライ・ラマもこの道を旅した」

写真がきれい。


ヒマラヤの薬草・秘宝を守れ―自然と人々との生活を感じる旅へ

ヒマラヤの薬草・秘宝を守れ―自然と人々との生活を感じる旅へ

ヒマラヤの薬草について専門家によって書かれた本。薬草や植物専門じゃない人でもついていける形で書かれています。


ヒマラヤを越えた花々 (自然史の窓 (8))

ヒマラヤを越えた花々 (自然史の窓 (8))

植物の専門家によって書かれた本。初心者にもわかりやすい内容。


エベレスト花の道―ヒマラヤ・フラワートレッキング (コロナ・ブックス)

エベレスト花の道―ヒマラヤ・フラワートレッキング (コロナ・ブックス)

写真の多い植物の本。植物好きの人がトレッキングに行くときにいいかも。


上に同じ。


ネパール、雲南、日本のコメ食について研究者によって書かれたもの。新書なので専門外の人もわかりやすくかかれている。


これは世界中のいろいろな地域のモチについて書かれた本。専門家によって書かれているが新書なので専門外の人にもわかりやすい。ネパールのセンニンコクについても記載がある。


途上国における国際保健―ネパールの保健医療

途上国における国際保健―ネパールの保健医療

医療の専門家によって書かれた本。ネパールの保健医療というと、特定のNGOや特定のプロジェクトについてフォーカスしたものが多いが、これは全体の制度を書いているので全体を把握したい人にはおすすめ。近代医療とその視点からの「問題点」が主な内容で、薬草とか民俗医療などへの言及がないのが惜しい点。


ネパールの丘陵部に住む人たちは普段から歩いたり荷物を担いだりしているので、日本人よりずっと健康なのでは、という専門家からの指摘。


現代アジアの教育計画:上-第2版

現代アジアの教育計画:上-第2版

他のアジアの国々に混じり、ネパールの教育政策の変遷について書かれた章がある。


ネパールでボランティア経験があり、教育の実務者でもある方によって書かれた本。日本語で書かれたネパールの教育関連のもので本にまとまっているというとこれ以外ないかも(英語で書かれたものや論文は他にもありますが)。


学習のエスノグラフィー

学習のエスノグラフィー

タンザニア、ネパール、日本の仕事場と学校をフィールドワークする」という副題にあるとおり、ネパールの部分も入っている。ただ博士論文を元にした本なので、専門外の人には厳しいかも。


ニッポンタカイネ

ニッポンタカイネ

番外編として在日アジア人(ネパール人も含む)の写真集。99年に出されたものが再刊された。


旅を生きる人びと―バックパッカーの人類学

旅を生きる人びと―バックパッカーの人類学

これは逆にネパールにいる日本人についての本。ネパールにいる日本人その他外国人バックパッカーについて描いている本。他の国に混じりネパールにいるバックパッカーも描かれている。旅行ガイドを見ていくとネパール人より旅行者同士の交流となり、こういう形になるのかも。